Terra Drone株式会社(本社:東京都渋谷区、代表:徳重 徹、以下 テラドローン)は2024年3月20日、ドローン運航管理システム(UTM)で米国内シェアトップを誇るAloft Technologies, Inc.(以下 アロフト) に出資し、筆頭株主になったことを発表します。これによりアロフトは、テラドローンの関連会社となります。
今後テラドローンは、アロフトとの協業を通じ、ドローンや空飛ぶクルマの世界最大市場とされる米国に参入します。またアロフト及び2023年7月に子会社化したUTMプロバイダーのリーディングカンパニーであるベルギーのUnifly(以下 ユニフライ)とともに、グローバルにおけるUTM業界の発展に貢献していきます。
ドローンや空飛ぶクルマの米国市場について
米国では日本と比べて、ドローンは約2.4倍、有人機は約62倍の機体数が登録されています(図1)。また多くの米国企業がドローンや空飛ぶクルマの開発や利活用のための開発を進めており、今後、ドローンや空飛ぶクルマといった次世代エアモビリティの領域においても最大市場になり得ると注目されています。
出典:FAA, Drones by the Numbers https://www.faa.gov/uas
FAA, General Aviation and Part 135 Activity Surveys https://www.faa.gov/data_research/aviation_data_statistics/general_aviation/cy2022国土交通省, 次世代航空モビリティに関する検討状況について https://www.mlit.go.jp/common/001612459.pdf
国土交通省, 登録航空機数 https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk1_000040.html
出資背景
アロフトは、民間航空機や宇宙機器メーカーBoeing(ボーイング)のコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)やアメリカ最大級の保険会社のTravelers Insurance(トラベラーズ)などからも出資を受けている、2015年に設立されたUTMを提供するスタートアップ企業です。米連邦航空局(以下 FAA)認定の UAS サービスの大手サプライヤーで、2018年にFAAが実装した米国のUTMにあたるLow Altitude Authorization and Notification Capability (LAANC)(※1)で84%以上のシェアを獲得(※2)し、米国UTM業界のリーディングカンパニーとしての地位を確立しています。
また、クラウド上でのドローンのフリート管理システム(※3)の提供も実施しており、機体やパイロットの情報を一元管理することが可能です。アロフトのソリューションを導入することで、飛行前から飛行後までのワークフローを効率的に管理できるほか、機体や資産の管理、飛行計画、安全な飛行制御、リアルタイムのライブビデオ共有や双方向音声コミュニケーションが可能となります。こうした多彩な機能により、ドローン運用を効率化し、安全性とコンプライアンスを確保します。アロフトのソリューションは、石油・ガス、電力、鉱業、保険、建設、メディアなど、様々な業界の企業、政府関連機関から個人のドローンパイロットまで幅広く利用されています。また、セキュリティの認証規格であるSOC2 Type2及びISO 27001を取得しています。
さらに、アロフトのUTMを通じて、これまでに全米で100万件以上のドローン飛行のための飛行承認申請が実施されました(※4)。
テラドローンは、アロフトのこうした実績を評価し、今回の出資を決定しました。
※1 Low Altitude Authorization and Notification Capability (LAANC):米国における低高度の無人航空機向け空域管理(承認や認証作業など)で米国の簡易的なUTM
※2 FAA LAANC レポートとアロフト・ユーザー・データを基に算出。 出典:”Aloft Launches New Fleet & UTM Capabilities, Surpassing 84% of LAANC Airspace Authorizations In September,” https://www.aloft.ai/blog/aloft-launches-new-fleet-utm-capabilities-surpassing-84-of-laanc-airspace-authorizations-in-september/
※3 フリート管理システム:パイロット・複数機体の情報・運航ルート・現在地などの情報を効率よく一元化して管理できるシステム
※4 FAA LAANC レポートとアロフト・ユーザー・データを基に算出。出典:”State of LAANC: Aloft Crosses 1M Airspace Authorizations,” https://www.aloft.ai/blog/state-of-laanc-aloft-crosses-1m-airspace-authorizations/
今後について
テラドローンは、アロフトとの連携を通じて、米国市場でのUTM事業を拡大していくとともに、グローバルにおいてアロフトが持つ特許取得済みの技術を基にしたUTMやフリート管理の技術の横展開も検討し、グループの事業成長に繋げていく方針です。また、同様にUTM事業を展開する子会社のユニフライも含めて連携を強化し、UTM産業全体の成長に寄与していきます。
各社コメント
<Aloft Technologies,Inc. 創業者兼CEO ジョン・へグラネス(Jon Hegranes)氏>
UTMの統合は、グローバルにおけるドローン運用の拡大や拡張性、持続可能性にとって極めて重要です。今回の出資によりテラドローンと協業することで、今後のUTMのイノベーションの最前線に立ち、標準化を促し、両社の持つ技術を活用することで、グローバル規模でドローンの効率性や拡張性を向上させるまたとない機会となることを確信しています。
<Terra Drone株式会社 代表取締役社長 徳重徹>
私たちの目標は、ドローンや空飛ぶクルマが日常生活で安全に活用される未来を実現することです。これを実現するためには、UTMの実装と運用が欠かせません。2016年のドローン黎明期からこのUTMに注目しており、この分野の先駆者であるUniflyへの出資を開始してから既に8年が経ちました。ドローンや空飛ぶクルマが発展に向けた新たな段階へと進む今、私たちはUTMの推進により一層注力していくべきだと確信しています。特に、市場規模が最も大きいとされる米国への積極的な進出を計画しています。このたび、米国市場をリードするAloftに出資し、筆頭株主となることで、米国を起点にUTMのさらなる発展に寄与していく所存です。
Aloft Technologies, Inc.(アロフト)
2015年に設立されたAloft Technologies(アロフト)は、ドローンの運航管理システム(UTM)とフリート管理システムを提供するサービスプロバイダーです。米国のUTM(Low Altitude Authorization and Notification Capability:LAANC)市場において80%以上のシェアを誇っています。米連邦航空局(FAA)が認可したUTMサービスプロバイダーとして、全米で累計100万件以上のドローン飛行のための飛行承認申請を実施してきました。また、アロフトのUTMは、 個人のドローンパイロットから企業、政府機関など、幅広く利用されています。詳しくは https://www.aloft.ai/
Terra Drone株式会社
「Unlock “X” Dimensions(異なる次元を融合し、豊かな未来を創造する)」というミッションを掲げ、2016年に創業した空飛ぶクルマやドローンの開発及びソリューションを提供するサービスプロバイダーです。東京に本社を置き、国内外の11か国において、特許取得済みである自社開発製の測量用・点検用ドローンを石油ガス・化学・建設業界などへ提供しています。ドローンを用いた非破壊検査作業に関して、世界各国での豊富な実績と高い研究開発力を有しています。また、運航管理システム(UTM)を展開し、世界8か国で導入された実績があります。
詳しくは http://www.terra-drone.net
本件に関する問い合わせ
Terra Drone株式会社
メール: pr@terra-drone.co.jp
HP : http://www.terra-drone.net