テラドローン子会社Unifly、欧州の次世代空域管理プロジェクト『ENSURE』に参画~U-spaceとATMの連携強化を通じて、 ドローンと有人航空機の安全な共存を目指し、欧州の航空インフラの発展に貢献~

Terra Drone株式会社(本社:東京都渋谷区、代表:徳重 徹、以下 テラドローン)は、子会社でベルギーに拠点を置く運航管理システム(UTM)プロバイダーのリーディングカンパニー Unifly NV(以下 ユニフライ)が、SESAR(※1)の共同研究機関である SESAR 3 Joint Undertaking(※2) が進めるプロジェクト『ENSURE(以下、本プロジェクト)』に参画したことを発表します。本プロジェクトはU-Spaceと航空管制システム(ATM:Air Traffic Management)を統合し、ドローンと有人航空機の安全な共存を実現するための研究プロジェクトです。本プロジェクトを通じて、ユニフライは欧州の航空インフラの発展に貢献します。

※1 新世代の航空交通管理システムの開発を目的とした欧州の航空管制近代化プログラム
※2 SESARのプログラムを実行するための、政府機関や企業が参加する共同研究機関

背景と目的

近年、ドローンの商用利用が急速に拡大する中で、ドローンなどの無人航空機と有人航空機が共存する空域の管理が重要な課題となっています。そのような環境下において、欧州ではU-Space(※3)の導入が進められており、既存の航空管制システムとの連携が不可欠とされています。

本プロジェクトは、これまでSESARが推進してきたCORUS-XUAM(※4)やEUREKA(※5)など複数のプロジェクトの成果を活用・連携しながら、U-Spaceと航空管制システムをシームレスに繋ぐインターフェースの開発を進めています。リアルタイムの空域調整(DAR:dynamic airspace reconfiguration)を可能にすることで、ドローンと既存の航空管制システムが共存できる環境づくりを目指します。

※3 欧州のドローン実装のための規制の枠組みまで含めた運航管理に関する概念
※4 https://terra-drone.net/16123
※5 https://terra-drone.net/15751

プロジェクト概要

本プロジェクトは、スペインに本社を置く航空関連技術ソリューションの提供会社であるINDRAが主導し、Airbus、EUROCONTROL、ENAV、そしてユニフライを含む欧州航空業界の主要企業が参画する大規模な取り組みです。本プロジェクトにおける主な取り組みは以下の通りです。

  • U-Spaceと航空管制システム間におけるデータ交換や通信方法の標準化
  • 航空管制官およびU-Spaceサービスプロバイダーの知見向上
  • リアルタイムの空域調整システムの実装と検証
  • 管制空域内のドローン運航に関する規制と安全要件への対応

本プロジェクトにおいて、ユニフライは、UTMソリューション分野で培った豊富な知見を生かし、以下を提供しています。

  • ドローンと航空管制システムをリアルタイムで連携させるU-Spaceサービスの開発とテストの実施
  • 欧州の最新規制に準拠した、U-Spaceと航空管制システムのインターフェースの標準化に向けた技術支援
  • リアルタイムの空域調整システムの性能評価を目的としたシミュレーションや実証実験への参加
  • ドローン運用の安全性・効率性向上のためのデジタル空域管理ツールの導入支援

今後の展望

本プロジェクトでは、2025年中に、U-Spaceと航空管制システムの統合実証および、高密度な空域におけるリアルタイムの空域調整システムの確立を目指しています。また、本プロジェクトの透明性の向上と業界連携の強化を目的として、2025年5月28日にアイスランドのTern Systems社でオープンデーが開催される予定です。このイベントでは、U-Spaceのデジタル化と自動化に向けた取り組みをテーマに、ユニフライの先進的なUTMソリューションが実現する安全で効率的な欧州の空域管理について発表を行う予定です。
ユニフライは今後もドローンと有人航空機が共存する将来の空域管理の確立に貢献してまいります。

Terra Drone株式会社

Terra Drone株式会社(テラドローン)は、「Unlock “X” Dimensions(異なる次元を融合し、豊かな未来を創造する)」というミッションを掲げ、ドローンの開発及びソリューションを提供しています。また安全かつ効率的なドローンの運航を支援するための運航管理システム(UTM)の開発・提供や、国外を対象にした空飛ぶクルマ向け運航管理システムの開発にも注力し、幅広い産業に貢献しています。

テラドローンは、測量、点検、農業、運航管理の分野で累計3000件以上の実績を誇っています。また、当社グループを通じて提供されるUTMは、世界10カ国での導入実績があります。こうした成果により、Drone Industry Insightsが発表する『ドローンサービス企業 世界ランキング』で、産業用ドローンサービス企業として2020年以降連続でトップ2にランクインし、2024年は世界1位を獲得しました。

テラドローンは、ドローンや空飛ぶクルマの普及を見据え、“低空域経済圏のグローバルプラットフォーマー”として社会課題の解決を目指します。詳しくは http://www.terra-drone.net

Unifly NV(ユニフライ)

ベルギーに本社を置くUTM(Unmanned Aircraft System Traffic Management)テクノロジープロバイダーであり、主にドローンや空飛ぶクルマの運航管理システムを開発しています。欧米8カ国で国全体へのUTM導入実績があり、同分野における世界的なリーディングカンパニーです。テラドローンは2016年に戦略的パートナーシップ契約を締結、資本提携も行い、2023年には51%の株式を取得して子会社化。ドイツ政府傘下のANSP(航空管制サービスプロバイダー)であるDFSも同社の知見や技術力を高く評価し、2018年に出資して第二筆頭株主となっています。
詳しくは www.unifly.aero

本件に関する問い合わせ

Terra Drone株式会社
メール: pr@terra-drone.co.jp
HP : http://www.terra-drone.net