Terra Drone株式会社(本社:東京都渋谷区、代表:徳重 徹、以下 テラドローン)は、子会社でベルギーに拠点を置く運航管理システム(UTM)プロバイダーのUnifly NV(以下、ユニフライ)が、欧州防衛庁(EDA)主導のプロジェクト「MIL-UAS-SPECIFIC 3(以下、本プロジェクト)」に参画したことをお知らせいたします。本プロジェクトは、防衛・安全保障領域のドローンを含む運用において、飛行前リスク評価の基準を欧州全体で共通化し、安全性・相互運用性・効率性の向上を目指すものです。
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本プロジェクトの背景と目的
欧州防衛庁(EDA)が主催する本プロジェクトは、防衛・安全保障領域において、各国で異なるドローンの飛行前リスク評価の基準を、欧州全体で共通化する取り組みです。
欧州では、防衛・災害対応・警備など、公共安全・政府機関の現場でドローンの活用が広がっています。防衛・安全保障領域では、目視外飛行や人口密集地などリスクの高い飛行が多いため、各国当局から特別な飛行許可・承認を求められるケースが見られます。これらの申請においては、精緻なリスク評価と各国当局が定めるリスク対策の順守が必要とされており、専門的な知識を要するなど複雑なプロセスとなっています。さらに、現状ではリスク評価の基準やプロセスが国ごとに異なるため、準備コストや手続きの負担が増大し、国境をまたぐ運用が難しいという課題が生じています。
この課題に対し、ドローンの飛行許可・承認の取得に用いるリスク評価の基準を欧州全体で共通化することで、安全性・相互運用性・効率性を高め、各国の申請におけるコストや負担を削減し、国境をまたぐ運用の円滑化を推進することが可能となります。
ユニフライが本プロジェクトに参画した背景
ユニフライは、ドローンの安全かつ効率的な運用を支援する運航管理システム(UTM)を開発・提供しています。2025年4月に、ドローンの飛行前リスク評価のプロセスから運航管理までを一貫して支援する統合プラットフォームの構築を目指し、EuroUSC Italia S.r.l.(以下、ユーロUSCイタリア)を完全子会社化しました(※1)。
ユーロUSCイタリアは、EU諸国、英国、カナダ、オーストラリア、アラブ首長国連邦など約40ヶ国以上で採用されるSORA(※2)に基づくリスクアセスメント支援を中心に、グローバルでドローンの規制・安全・飛行前の許可承認の取得に関するアドバイザリー業務を提供しています。自社開発のリスク評価支援ソフトウェアを活用し、専門知識が求められる複雑な申請プロセスのデジタル化・効率化を推進してきました。
こうした実績が評価され、ユニフライは、ユーロUSCイタリアを通じて本プロジェクトに参画します。各国当局・運用者と連携し、飛行前リスク評価の基準の共通化と現場実装を推進してまいります。
※1 関連リリース :https://terra-drone.net/21479
※2 SORA(Specific Operations Risk Assessment):目視外飛行や人口密集地のようなリスクの高い飛行における、ドローンの飛行前リスクを評価するフレームワーク
実施概要
本プロジェクトの前段階において、ユニフライは、空と地上におけるリスク要件の定義、規制等の変更にあわせて定義を更新するためのロードマップの提案、リスク評価のためのオンラインツール試作版の開発を実施しています。これらをもとに、ユニフライは、本プロジェクトの中核的な推進役を担います。
<本プロジェクトで予定されるユニフライの取り組み>
- 要件定義の深化:防衛・安全保障用途特有の要件を反映したリスク評価基準の改良
- ツール拡張:オンラインツールの改良(ネットワーキング機能の強化)
- 外部連携:EUSPA(※3)が持つ人口密度などの地理データとオンラインツールの連携強化
- 実装促進:検証のための演習やワークショップ開催の主導
※3 EUSPA:European Union Agency for the Space Programme(欧州連合宇宙計画庁)。EUの宇宙プログラム(衛星サービス等)の運用・利用促進を担う機関。リスク評価に活用する人口密度データ等の提供元。
Terra Drone株式会社
テラドローンは、「Unlock “X” Dimensions(異なる次元を融合し、豊かな未来を創造する)」というミッションを掲げ、ドローンの開発及びソリューションを提供しています。また安全かつ効率的なドローンの運航を支援するための運航管理システム(UTM)の開発・提供や、国外を対象にした空飛ぶクルマ向け運航管理システムの開発にも注力し、幅広い産業に貢献しています。
テラドローンは、測量、点検、農業、運航管理の分野で累計3000件以上の実績を誇っています。また、当社グループを通じて提供されるUTMは、世界10カ国での導入実績があります。こうした成果により、Drone Industry Insightsが発表する『ドローンサービス企業 世界ランキング』で、産業用ドローンサービス企業として2019年以降連続でトップ2にランクインし、2024年は世界1位を獲得しました。さらに、経済産業省主催「日本スタートアップ大賞2025」では、国土交通分野の社会課題に向けた取り組みが高く評価され、「国土交通大臣賞」を受賞しました。
テラドローンは、ドローンや空飛ぶクルマの普及を見据え、“低空域経済圏のグローバルプラットフォーマー”として社会課題の解決を目指します。
詳しくは http://www.terra-drone.net
Unifly NV
ユニフライは、ベルギーに本社を置くUTM(Unmanned Aircraft System Traffic Management)テクノロジープロバイダーであり、主にドローンや空飛ぶクルマの運航管理システムを開発しています。欧米8カ国で国全体へのUTM導入実績があり、同分野における世界的なリーディングカンパニーです。テラドローンは2016年に戦略的パートナーシップ契約を締結、資本提携も行い、2023年には51%の株式を取得して子会社化。ドイツ政府傘下のANSP(航空管制サービスプロバイダー)であるDFSも同社の知見や技術力を高く評価し、2018年に出資して第二筆頭株主となっています。
詳しくは https://www.unifly.aero/
Euro USC Italia
ユーロUSCイタリアは、欧州を中心にグローバルでドローンの規制・安全・飛行前の許可承認の取得に関するアドバイザリー業務を提供しています。自社開発のリスク評価支援ソフトウェアを活用し、専門知識が求められる複雑な申請プロセスのデジタル化・効率化を推進してきました。大手ドローンオペレーターから航空業界の各種機関、防衛・軍事関連に至るまで多岐にわたる顧客実績を持ち、欧州市場において高い専門性を築いています。ユニフライは2025年に全株式を取得し子会社化。両社の技術と知見を融合することで、運航前のリスク評価から運航管理までを一気通貫で支援できる体制を目指しています。
詳しくはhttps://www.eurousc-italia.it/en/
本件に関する問い合わせ
Terra Drone株式会社
メール: pr@terra-drone.co.jp
HP : http://www.terra-drone.net