Terra Drone株式会社(本社:東京都渋谷区、代表:徳重 徹、以下 テラドローン)は、子会社でベルギーに拠点を置く運航管理システム(UTM)(※1)プロバイダーのリーディングカンパニー Unifly NV(以下 ユニフライ)と、3月に出資しグループ会社となったUTMで米国内シェアトップを誇るAloft Technologies, Inc.(以下 アロフト)と共同で、欧州や米州、中東、アジアなどの国外をターゲットとした空飛ぶクルマ向け運航管理システムの開発に着手することを2024年4月25日(現地時間24日)、アメリカ・サンディエゴで開催されている世界最大級の無人機の展示会『XPONENTIAL 2024』で発表しました。UTMの実装・運用実績が豊富な企業として、その実績を基に複数社が手を組んで空飛ぶクルマ向け運航管理システムの開発を手掛けるのは世界初(※2)です。
※1 運航管理システム(UTM):同じ空域を飛行する複数の無人機を安心・安全・効率的に運航するためのプラットフォーム
※2 自社調べ
開発着手の背景
近年、世界各国で空飛ぶクルマの開発が進められており、新たな移動手段に繋がる可能性が期待されています。今後、世界の国際的イベントなどに合わせて飛行が計画されているなど、世界的に普及していくことが予測されています。米国のモルガン・スタンレーの調査によりますと、空飛ぶクルマなどを含む都市航空交通(UAM)(※3)の市場規模は、2040年に1兆ドル(約151兆円)、2050年には9兆ドル(約1,362兆円)までに拡大すると見込まれています(※4)。
※3 都市航空交通(UAM): 空飛ぶクルマ(AAM)のうち主に都市部で行われる短距離、低高度の AAM運航
参照:空の移動革命に向けた官民協議会 ”空飛ぶクルマの運用概念” https://www.mlit.go.jp/koku/content/001739488.pdf
※4 Morgan Stanley “eVTOL/Urban Air Mobility TAM Update: A Slow Take-Off, But Sky’s the Limit”
https://advisor.morganstanley.com/the-busot-group/documents/field/b/bu/busot-group/Electric%20Vehicles.pdf
ドローンソリューションを提供するサービスプロバイダーで世界第2位(※5)のテラドローンと、カナダやドイツなど国家レベルでのUTM導入において世界トップクラスの実績を持つユニフライ、ドローンや空飛ぶクルマの市場が世界最大規模と言われる米国において、UTM市場で84%以上のシェアを誇るアロフト(※6)は、このような市場拡大を見込んだうえで、空飛ぶクルマやドローン、既存の航空機などが安全かつ効率よく共存し、日常的に飛行する未来を実現するためには、低空域におけるインフラプラットフォームとなる運航管理システムの存在が欠かせないと考えています。
※5 Drone Industry Insights, “Drone Service Providers Ranking 2023,” https://droneii.com/top-drone-service-companies-in-2023
※6 FAA LAANC レポートとアロフト・ユーザー・データを基に算出。
出典:”Aloft Launches New Fleet & UTM Capabilities, Surpassing 84% of LAANC Airspace Authorizations In September,” https://www.aloft.ai/blog/aloft-launches-new-fleet-utm-capabilities-surpassing-84-of-laanc-airspace-authorizations-in-september/
また、3社はこれまで、ドローン黎明期から、10年弱の年月をかけてUTM開発を進めてきました。その経験を基に、空飛ぶクルマ市場が拡大するタイミングに備えて、デジタル化や自動化が進む既存のUTMプラットフォームの機能を拡張する形で、空飛ぶクルマ向けの運航管理システムの開発を進めることが可能だと考えました。近い将来、空飛ぶクルマとドローンの安全で効率的な飛行を可能にするという共通のビジョンのもと、3社共同での開発を始めることを決定しました。
3社が開発を目指す空飛ぶクルマ向けUTMとは
既存のUTMは、機能的に空飛ぶクルマの飛行を完全にサポートできる仕様にはなっておらず、空飛ぶクルマ向けの運航管理システムは、より多様で複雑なものになると考えています。そうした中、3社は、進化を続ける空飛ぶクルマ業界のニーズを認識したうえで、空飛ぶクルマの飛行に不可欠な追加機能の開発を進め、既存のUTMに組み込む形で、空飛ぶクルマ向け運航管理システムのプラットフォームを構築していきます。また自動化に重点を置き、運用の効率化を促進していく方針です。
さらに現在、各国で実装が進む既存のUTMと同様、国ごとに一部異なる仕様となることを想定している一方で、中長期的にはグローバルでのシームレスな相互運用・統合を目指して規格化などにも積極的に貢献していく方針です。
今後について
開発を進めていくにあたり、空飛ぶクルマ関連のメーカーやバーティポート(※7)事業者、航空系企業などからもパートナーを募っていくほか、各国の航空当局や航空管制サービスプロバイダー(ANSP)などからも意向をヒアリングするなど、関係各所との連携を図っていく方針です。
※7 バーティポート( Vertiport): VTOL機(Vertical Take-Off and Landing、垂直離着陸機能を有する航空機)の到着、出発及び地上移動等のために使用される陸上の一定の区域で、空港等のうち、VTOL機専用の陸上ヘリポート。参照 :国土交通省 バーティポート整備指針 https://www.mlit.go.jp/koku/content/001711020.pdf
テラドローン、ユニフライ、アロフトの3社は、空飛ぶクルマ向けの運航管理技術を備えたプラットフォームの開発を通じて、空飛ぶクルマやドローンなどの産業拡大や社会実装に貢献していくとともに、グローバルにおいて持続可能で安全なエコシステムとなる空のインフラの構築を目指していきます。
詳細については、特設サイト(2024年4月25日(木) 当日公開予定)をご覧ください。
https://terra-drone.net/utmforaam
Unifly NV(ユニフライ)
ベルギーに本社を置くUTM(Unmanned Aircraft System Traffic Management)テクノロジープロバイダーであり、主にドローンや空飛ぶクルマの運航管理システムを開発しています。欧米8カ国で国全体へのUTM導入実績があり、同分野における世界的なリーディングカンパニーです。テラドローンは2016年に戦略的パートナーシップ契約を締結、資本提携も行い、2023年には51%の株式を取得して子会社化。ドイツ政府傘下のANSP(航空管制サービスプロバイダー)であるDFSも同社の知見や技術力を高く評価し、2018年に出資して第二筆頭株主となっています。
詳しくは www.unifly.aero
Aloft Technologies, Inc.(アロフト)
2015年に設立されたAloft Technologies(アロフト)は、ドローンの運航管理システム(UTM)とフリート管理システムを提供するサービスプロバイダーです。米国のUTM(Low Altitude Authorization and Notification Capability:LAANC)市場において80%以上のシェアを誇っています。米連邦航空局(FAA)が認可したUTMサービスプロバイダーとして、全米で累計100万件以上のドローン飛行のための飛行承認申請を実施してきました。また、アロフトのUTMは、 個人のドローンパイロットから企業、政府機関など、幅広く利用されています。
詳しくは https://www.aloft.ai/
Terra Drone株式会社
「Unlock “X” Dimensions(異なる次元を融合し、豊かな未来を創造する)」というミッションを掲げ、2016年に創業した空飛ぶクルマやドローンの開発及びソリューションを提供するサービスプロバイダーです。東京に本社を置き、国内外の11か国において、特許取得済みである自社開発製の測量用・点検用ドローンを石油ガス・化学・建設業界などへ提供しています。ドローンを用いた非破壊検査作業に関して、世界各国での豊富な実績と高い研究開発力を有しています。また、運航管理システム(UTM)を展開し、世界8か国で導入された実績があります。
詳しくは http://www.terra-drone.net
本件に関する問い合わせ
Terra Drone株式会社
メール: pr@terra-drone.co.jp
HP : http://www.terra-drone.net