テラドローン子会社Unifly、『Certiflight』プロジェクトの一環として行われたドローンを活用した港湾監視に関する実証実験を完了 ~ブロックチェーンを基盤としたUTMソリューションでドローンの運航管理に貢献~

Terra Drone株式会社(本社:東京都渋谷区、代表:徳重 徹、以下 テラドローン)は、子会社でベルギーに拠点を置く運航管理システム(UTM)(※1)プロバイダーのリーディングカンパニー Unifly NV(以下 ユニフライ)が、欧州で進行中の『Certiflight』プロジェクトの一環として行われた、ドローンを活用した港湾監視の実証実験を完了したことをお知らせいたします。本実証実験は、ヨーロッパ最大級の港であるベルギーのアントワープ・ブルージュ港にて行われ、ユニフライはブロックチェーンを活用した自社のUTMソリューションを提供し、複雑で交通量の多い空域におけるドローンの運航管理を支援しました。

※1 運航管理システム(UTM):同じ空域を飛行する複数の無人航空機を安心・安全・効率的に運航するためのプラットフォーム

『Certiflight』プロジェクトの概要

『Certiflight』は、U-space(※2)が適用される空域において、初となるGalileo衛星(※3)のOSNMA(衛星信号認証)技術を活用し、ドローンやジェネラル・アビエーション(※4)の低空域飛行データをブロックチェーン技術で記録するプロジェクトです。ユニフライは、『Certiflight』プロジェクトに2022年11月より参画し、自社のUTMの提供を通じてドローンの運航管理において中心的な役割を果たし、空域の安全性と信頼性を向上させるための技術革新を推進してまいりました。

本プロジェクトは、飛行データの真正性を担保することを目的とし、「デジタルEGNSS/IoTデバイス」をドローンやジェネラル・アビエーションに搭載し、セキュリティーチェーンを用いて飛行データを暗号化してブロックチェーン上に記録することで、位置データの改ざんを防止しています。本プロジェクトの推進により、フライトデータの信頼性と完全性が向上し、複雑で交通量の多い空域におけるドローンの安全性やセキュリティの強化に繋がるため、中長期的にドローンの目視外飛行(BVLOS)の普及を促進することが期待されています。

また、従来はドローンを飛行する度に、パイロットが各地域の規則に準拠した飛行承認を申請・取得する必要がありました。本実証実験では、デジタルEGNSS/IoTデバイスを搭載したドローンの活用による港湾エリアにおけるドローンの運航の監視と飛行承認の簡略化を検証しました。結果、真正性が担保された飛行データをオペレーターや認証ポータルに送信することが可能となり、各地域の管制官が飛行承認を簡単に確認・承認できるようになることを実証しております。これにより、飛行承認の申請手続きが簡略化されることが見込まれ、ドローンの更なる利活用の促進につながることが期待されます。

※2 U-space:欧州のドローン実装のための規制の枠組みまで含めた運航管理に関する概念
※3 Galileo衛星:欧州の全地球測位衛星システム
※4 ジェネラル・アビエーション:民間航空のうち、定期航空運送事業(エアライン)以外のあらゆる航空活動の総称 

<『Certiflight』プロジェクトの進行状況>

  • 2022年11月に開始
  • 2024年11月より実証実験フェーズへ移行
  • 2025年1月までに代表的なドローンの活用事例に基づいたシナリオを検証し、複数のU-spaceサービスプロバイダーと協力して、多様な運用ニーズに対応可能なシステムの性能評価を実施

ドローンを活用した港湾監視に関する実証実験

この度のドローンを活用した港湾監視の実証実験は、『Certiflight』プロジェクトの一環となる取り組みです。2024年11月より実証実験のフェーズに以降しており、ベルギー、イタリア、チェコの3か国で実施されています。今回ユニフライはU-Spaceのサービスプロバイダーとして選出され、ドローンオペレーターであるSky Vision社(本社:ベルギー、代表:ジョリス・クレイレン)と協力し、アントワープ・ブルージュ港における実証実験に参画しました。本実証実験では、デジタルEGNSS/IoTデバイスを搭載したドローンに自社のUTMを連携することで、港湾エリアにおけるドローンの運航の監視と飛行承認の簡略化を担う役割を果たしています。

実証実験を通じて、ユニフライは自社のUTMプラットフォームを活用し、以下を達成しました。

①ドローンの飛行経路の可視化

  • Tracking APIを通じて、ドローンの飛行経路をリアルタイムで可視化しました。
  • 認証された信号に基づく追跡データと、未認証のデータを区別できることを確認しました。

②飛行中の正確な位置データの取得と情報の偽装の防止

  • 「オープンサービスナビゲーションメッセージ認証(OSNMA)」機能により、正確な位置データを取得し、不正な情報の混入を防止しました。
  • 複雑な空域での高リスクな業務において、デジタルEGNSS/IoTデバイスを搭載したドローンとブロックチェーン技術を活用することで、信頼性の高い飛行全体の位置情報を提供できることを実証しました。

代表コメント

<Unifly CEO、アンドレス・ヴァン・スワルム(Andres Van Swalm)>
アントワープ・ブルージュ港での実証実験は、『Certiflight』プロジェクトにとって重要なマイルストーンです。ブロックチェーン技術を活用したUTMソリューションが、複雑な空域における安全性・透明性の向上、そして責任の所在の明確化にどのように貢献できるかを示しています。ユニフライが提供するUTM及び関連する技術が、ドローンや空飛ぶクルマにおける航空業界の未来に寄与できることを誇りに思います。

今後の展望

テラドローンは、ユニフライを通じて、『Certiflight』プロジェクトの検証段階における港湾監視の実証実験を完了し、ドローンの運航管理において自社のUTMプラットフォームの役割と重要性を示しました。今後も、U-spaceが適用される空域でUTM技術の発展と次世代航空機の複雑な共有空域への統合を推進し、港湾や都市型航空モビリティをはじめとする幅広い分野への技術展開を進めてまいります。

Terra Drone株式会社

Terra Drone株式会社(テラドローン)は、「Unlock “X” Dimensions(異なる次元を融合し、豊かな未来を創造する)」というミッションを掲げ、ドローンの開発及びソリューションを提供しています。また安全かつ効率的なドローンや空飛ぶクルマの運航を実現するための運航管理システム(UTM)の開発・提供にも注力し、幅広い産業に貢献しています。

テラドローンは、測量、点検、農業、運航管理の分野で累計3000件以上の実績を誇っています。また、当社グループを通じて提供されるUTMは、世界10カ国での導入実績があります。こうした成果により、Drone Industry Insightsが発表する『ドローンサービス企業 世界ランキング』で、産業用ドローンサービス企業として2020年以降連続でトップ2にランクインし、2024年は世界1位を獲得しました。

テラドローンは、ドローンや空飛ぶクルマの普及を見据え、低い空域の安全かつ効率的な移動を支える“低空域経済圏のグローバルプラットフォーマー”として社会課題の解決を目指します。詳しくは http://www.terra-drone.net

本件に関する問い合わせ

Terra Drone株式会社
メール: pr@terra-drone.co.jp
HP : http://www.terra-drone.net