Terra Drone株式会社(本社:東京都渋谷区、代表:徳重 徹、以下 テラドローン)は、子会社でベルギーに拠点を置く運航管理システム(UTM) プロパイダーのUnifly NV(以下 ユニフライ)が、次世代エアモビリティの社会実装を目指す欧州の共同プロジェクト「EUREKA(以下本プロジェクト)」において、空飛ぶクルマ離発着場(バーティポート)の統合管理に関する技術検証を主導し、実証実験に成功したことを発表いたします。
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EUREKAプロジェクトとは(※1)
本プロジェクトは、欧州における次世代エアモビリティの社会実装を見据え、空飛ぶクルマ離発着場の運用標準の策定と、U-space(※2)に準拠した運航管理・情報連携体制の構築を目的とした国際共同プロジェクトです。
本プロジェクトは、欧州の共同研究機関であるSESAR Joint Undertaking(※3)主導のもと、AENA(スペイン空港運営会社)、ENAIRE(スペイン航空管制機関)、EUROCONTROL(航空交通管理機関)などを含む35の企業・機関が参加しています。
本プロジェクトの中核には、空飛ぶクルマ離発着場の統合運航管理システム(VCTM)(※4)の開発と検証があります。VCTMは、空飛ぶクルマの離発着予定・緊急対応といった運航情報を、複数の関係者間でリアルタイムに共有・調整するためのシステムです。
ユニフライは、本プロジェクトにU-spaceサービスプロバイダー(※5)として参画しており、ドローンの運航管理システム(UTM)で培ってきた知見を応用して、VCTMの開発・検証に取り組んでいます。
※1 本プロジェクトに参画時のプレスリリース:https://terra-drone.net/15751
※2 U-space:欧州のドローンや空飛ぶクルマなど次世代エアモビリティ実装のための規制の枠組みまで含めた運航管理に関する概念
※3 SESAR Joint Undertaking:欧州の航空管制の近代化プログラム「SESAR」の実行を目的とした、政府機関や企業が参加する共同研究機関
※4 VCTM:Vertiport Collaborative Traffic Management
※5 U-spaceサービスプロバイダ―(USSP):ドローンや空飛ぶクルマなどの運航管理を支援する情報サービスを提供する事業者
実証実験の概要
- 実施日:2025年7月21日~22日
- 場所:INDRA(スペイン・マドリード)施設内
- 目的:リアルタイム環境下を想定し、VCTMの妥当性・拡張性を検証すること
【検証項目】
①相互運用性
空飛ぶクルマ離発着場の管理者、U-spaceサービスプロバイダ―、共通情報プロバイダーなど関係者間で、VCTMを介した情報共有・調整がリアルタイムかつ正確に行われるか
②安全性・効率性
通常時・障害時(通信断、緊急対応、混雑等)においても、VCTMが安全性を確保し、適切な運航管理を継続できるか
③オペレーター支援
VCTMが、オペレーターによる状況把握や意思決定を適切に支援できるか
【ユニフライの役割】
ユニフライは、U-spaceサービスプロバイダ―として、空飛ぶクルマ離発着場の管理者と共通情報プロパイダー間で情報統合・調整をリアルタイムで担い、VCTMの有効性を技術的観点から検証しました。
【主な成果】
- 空飛ぶクルマ離発着場の管理者、U-spaceサービスプロバイダ―、共通情報プロバイダー間における高度な相互運用性を実証
- 通信障害・緊急時・混雑時にも継続可能なシステムの安定性を確認
- オペレーターによる適切な意思決定支援の有効性を確認
代表コメント
<ユニフライCEO アンドレス・ヴァン・スワルム>
革新的な次世代エアモビリティの社会実装には、空飛ぶクルマの安全で効率的な運用が不可欠です。今回の実証で、VCTMによる相互運用性と安定性が確認され、次のフェーズへ進むための確かな手応えを得ることができました。
今後の展望
今回の実証は、本プロジェクトにおけるリアルタイム環境下での検証フェーズの集大成として位置づけられており、今後は実際のフィールドを用いたライブデモンストレーションへと進展していく予定です。ユニフライは引き続き、空のインフラ領域における中核的な技術提供者として、次世代エアモビリティの社会実装に貢献してまいります。
Terra Drone株式会社
テラドローンは、「Unlock “X” Dimensions(異なる次元を融合し、豊かな未来を創造する)」というミッションを掲げ、ドローンの開発及びソリューションを提供しています。また安全かつ効率的なドローンの運航を支援するための運航管理システム(UTM)の開発・提供や、国外を対象にした空飛ぶクルマ向け運航管理システムの開発にも注力し、幅広い産業に貢献しています。
テラドローンは、測量、点検、農業、運航管理の分野で累計3000件以上の実績を誇っています。また、当社グループを通じて提供されるUTMは、世界10カ国での導入実績があります。こうした成果により、Drone Industry Insightsが発表する『ドローンサービス企業 世界ランキング』で、産業用ドローンサービス企業として2019年以降連続でトップ2にランクインし、2024年は世界1位を獲得しました。
テラドローンは、ドローンや空飛ぶクルマの普及を見据え、“低空域経済圏のグローバルプラットフォーマー”として社会課題の解決を目指します。詳しくは http://www.terra-drone.net
Unifly NV
ユニフライは、ベルギーに本社を置くUTM(Unmanned Aircraft System Traffic Management)テクノロジープロバイダーであり、主にドローンや空飛ぶクルマの運航管理システムを開発しています。欧米8カ国で国全体へのUTM導入実績があり、同分野における世界的なリーディングカンパニーです。テラドローンは2016年に戦略的パートナーシップ契約を締結、資本提携も行い、2023年には51%の株式を取得して子会社化。ドイツ政府傘下のANSP(航空管制サービスプロバイダー)であるDFSも同社の知見や技術力を高く評価し、2018年に出資して第二筆頭株主となっています。
詳しくは https://www.unifly.aero/
本件に関する問い合わせ
Terra Drone株式会社
メール: pr@terra-drone.co.jp
HP : http://www.terra-drone.net