KDDI株式会社 (本社:東京都千代田区、代表取締役社長: 田中孝司、以下KDDI)は、国内外でドローン(UAV)ソリューション・ソフトウェア事業を展開するテラドローン株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:徳重 徹/以下、テラドローン)と共同で、「4G LTE運航管理システム」の開発を完了しました。
2017年4月より、同システムを用いて、インフラ点検等、さまざまなソリューションを想定した実証実験を実施します。
今回共同開発した「4G LTE運航管理システム」は、今後4G LTEを活用した様々なドローンソリューションを実現する「スマートドローンプラットフォーム」の第一次開発にあたります。同システムにより、KDDIの人口カバー率99%超の4G LTEエリアにおけるドローンの自律飛行が可能となります。
また、4G LTEネットワークを用いることで、ドローンで取得した映像、測量データを、個別のサーバーを介さずにリアルタイムで確認、分析ができるようになります。4G LTEの電波環境についても、同システムにて把握を行い、弱電界時の警告や飛行ルートの変更が可能になります。
テラドローン社は、2016年後半より独自のドローン運行管理システム(UTM)を構築・運用を開始しており、スマートドローンによるトータルソリューションを2017年より提供を予定しています。
また、業界の世界的リーディングカンパニーであるUNIFLYと資本提携をしており、同社とも連携の上、国際標準化を推進していく予定です。
今回のシステム開発にあたり、KDDIの人口カバー率99%超の高品質な4G LTEネットワークや、基地局の利活用ならびに、テラドローン社の「Terra UTM」コアシステムを用い、「LTE運航管理システム」が実現しました。
■「スマートドローンプラットフォーム」概要
「スマートドローンプラットフォーム」は、4G LTEネットワークに接続するドローン機体、3次元地図、運行管理、クラウドで構成されます。モバイル通信ネットワークを利用するスマートドローン機体や、3次元地図を活用したドローン同士またはドローンの建物への衝突を防ぐ運航管理システム、ドローンが取得したデータの蓄積・分析などのクラウドサービスをまとめたトータルソリューションの提供を目指します。
今回の「LTE運航管理システム」開発にて4G LTEを活用した自律飛行が可能となりますが、より安全な遠隔操作、自律飛行実現に向け、引き続き、ドローン機体、3次元地図、運航管理、クラウドの開発を進めて参ります。
■“空の3次元地図”を基にした自律飛行および運航管理イメージ
■「4G LTE運航管理システム」
本システムは4G LTEネットワークを活用することにより、Web上からの飛行制御命令に基づき、接続されたドローンの飛行状況を制御可能です。また、飛行時に取得した動画像のメディアデータはダイレクトにサーバーへ送信され、Web上で閲覧可能になります。各機体・オペレーター(飛行者)の情報管理や、それぞれの飛行に関するフライトログ情報も取得し、ドローン事業運用に必要な情報を包括的に提供します。
現状のドローンの飛行は、飛行現場にてオペレーターが操作する送信機からの電波によって、飛行制御を行いますが、本運航管理システムを利用することで、Webから直接ドローン本体と4G LTE通信を介して制御することが可能になります。※1
■「フライトプランの作成」
Web上からマップを呼び出し、任意の飛行ポイントを指定し、各点における高度・ポイント間の飛行形態(直角での進行等)を設定可能です。また、ジオケージング(仮想上の檻)を設定することで、風雨・機体トラブル等の不測の事態に設定エリア外へ飛行したドローンは、自動的にエリア内/設定地点へ帰還を行います。
※1: 現行規制等に鑑みて、飛行現場に人員が必要な場合・送信機プロポによるマニュアル操作が必要な場合に備え、送信機プロポに接続するアプリケーションも提供しています
■「リアルタイム制御」
設計したフライトプランに基づいた制御命令を4G LTE回線を通して、ドローンに伝えます。また、飛行制御に留まらず、飛行時のリアルタイム映像も「ライブビューエリア」において確認が可能となります。緊急時の強制帰還などにも対応しております。
【お問い合わせ先】
KDDI株式会社 広報部 TEL:(03)6678-0690
テラドローン株式会社 広報担当 TEL:(03) 6419-7193