2023年9月21日

テラドローン、農業事業に本格参入 世界初の技術を有するドローン農薬散布事業のリーディングカンパニーAvirtechの事業を子会社が買収
~マレーシアに新法人設立、グローバルで持続可能な農業の実現を目指す~

テラドローン株式会社(本社:東京都渋谷区、代表:徳重 徹、以下 テラドローン)は、インドネシアおよびマレーシアにおける農業ドローン市場に本格参入するため2023年9月21日、子会社Terra Drone Indonesiaを通じてAvirtech(アヴィールテック)社の事業を買収することを発表しました。さらに、マレーシアでの事業展開をするための新法人Terra Drone Agriを設立します。これにより、グローバルで持続可能な農業の実現を目指し、空のインフラ構築を加速させます。

背景と目的

テラドローンは、「空から、世界を進化させる」のミッションを掲げ、エアモビリティのハード・ソフト・サービスにおける全方位的な開発とソリューション提供に取り組み、空のインフラ構築に努めてまいりました。現状、測量、点検、運航管理の事業を展開しておりますが、特に物流と農業の分野でドローンの活用の可能性が急速に拡大していると感じています。2030年には農業用のドローンの世界市場は最大142億9,020万ドル(約2兆900億円)に成長する見込みです。(※1)これを受け、農業ドローンは、精密な作物管理や高効率な生産手法を実現する上で空のインフラ構築の重要な分野となると考えています。

※1 株式会社グローバルインフォメーション調べ「農業用ドローンの世界市場- 2023-2030」
https://www.gii.co.jp/report/dmin1268938-global-agricultural-drones-market.html

インドネシアとマレーシアは、パーム油(※2)の主要な生産地として知られていて、世界における生産の約8割を占めています(※3)。しかし、森林伐採や生態系への影響、温室効果ガスの排出といった環境への影響が懸念されています。また労働環境が厳しい上、労働力が不足しているなど、インドネシアとマレーシアのパーム油産業は、深刻な問題を抱えています。

※2 パーム油:アラブヤシの果実から抽出される食用油で、食品、化粧品など様々な商品に幅広く使われている一般的な植物油
※3 米国農務省(USDA) Palm Oil 2023World Production
https://ipad.fas.usda.gov/cropexplorer/cropview/commodityView.aspx?cropid=4243000

今回、テラドローンが事業譲受したAvirtechは、インドネシアとマレーシアで2017年よりドローンを用いたパーム油農園の農薬散布事業を展開。世界初の高精度の農薬散布を可能にする技術を有しており、ドローン農薬散布事業のリーディングカンパニーとしての地位を確立しています。これまでに累計200,000ヘクタール以上の面積で、1日あたり最大4,000回の飛行を実施。高精度の農薬散布により、最大30%のコスト削減を実現し、150機以上のドローン普及の実績があります。

こうした事業を通じて、Avirtechは、パーム油産業の労働力不足の解消や作業員の安全確保、生産性の向上に寄与しており、今後も、こうした課題解消やサステナビリティに配慮したパーム油の生産支援に寄与することが期待されています。

今回、テラドローンはAvirtechから事業を譲受することで、インドネシアとマレーシアで農業事業に参入することに至りました。この新たな事業展開は、テラドローンのミッションの実現に向けた重要な一歩と位置づけており、持続的な成長とグローバルでの新しい価値提供を目指していきます。具体的な事業遂行については、インドネシアではグループ会社のTerra Drone Indonesiaが、マレーシアでは新しく設立されたTerra Drone Agriが展開してまいります。

今後の展望

テラドローンは今後、インドネシアとマレーシアにおけるドローンを活用した農薬散布事業の拡大を最優先に実施していきます。特に、効率的なパーム油の栽培支援に注力し、持続可能な農業の実現を目指します。この事業を通じて、環境への影響を最小限に抑え、農業労働者の作業負荷を軽減していくことは、ESG投資の観点からの価値も提供できると考えています。

新事業を展開する中で知見を蓄積し、顧客の具体的なニーズをより深く理解することにより、日本を含む海外での展開を検討しています。そして、ドローンを活用した技術で農業の未来を形成していく考えです。

各社コメント

<テラドローン 代表取締役社長 徳重徹>

私たちが日々目の当たりにしているのは、グローバルでドローン技術の活用が日々増している現実です。特に農業領域では可能性が計り知れません。今回の農業ドローン事業参入は、”空から、世界を進化させる”というミッションを実現するための重要な一歩です。Avirtechの事業取得やマレーシアでの新会社設立を通じ、農業の現場でのドローン活用の拡大と技術革新を進めていく所存です。

<アヴィールテック社 COO ウィルソン・オング(Wilson Ong)>

Terra Droneへの事業譲渡を発表できることを嬉しく思っています。この大きな戦略的なステップにより、農業用ドローンの可能性が新たな次元に広がります。そして、私たちがこれまで続けてきた技術革新への取り組みも更に強化されることを確信しています。

テラドローン株式会社

2016年より「空から世界を進化させる」というミッションを掲げ、東京に本社を置き、国内外の10カ国に、自社開発製の特許取得済みである測量用・点検用ドローンを石油ガス・化学・建設業界などへ提供しています。また、2023年7月に世界8カ国で既に導入済みの運航管理システム(UTM)を展開しているユニフライを子会社化。空飛ぶクルマやドローンの開発及びソリューションを提供するドローンサービスプロバイダーです。詳しくはhttp://www.terra-drone.net

本件に関するお問い合わせ

テラドローン株式会社
メール : pr@terra-drone.co.jp
HP : http://www.terra-drone.net