2024年10月29日

世界を見据えた学生2人が感じた創業者の情熱と起業家マインド。経営陣が語る、テラドローンでの挑戦と成長の軌跡

こんにちは、テラドローン広報チームです。
今回、テラドローンの創業期から引っ張ってきた取締役の関鉄平さん、神取弘太さんの2人の経営陣による対談をお届けします。

徳重徹社長が経営する別会社の電動三輪を展開するテラモーターズのインターン時代から社長の影響を受け、グローバルに突き進んできた2人。
さらなる成長と転換期を迎えつつあるテラドローンでどんな思いを抱いているのか。
この対談では徳重社長との出会いやこれまで乗り越えてきた困難を振り返りつつ、これからに向けたビジョンを語っていきます。

創業者である徳重社長との出会いをはじめ、これまで語られたことのない一面をぜひ最後までご覧ください!

ーまずは簡単にこれまでの経歴を教えてください。

関:2012年にテラモーターズに入社以来、東南アジアやインドを巡った後、創業からテラドローンに携わるようになりました。現在は、取締役 管理担当としてコーポレート全般を担っています。

神取:同じくテラドローンに入った後、オーストラリアやインドで事業立ち上げの動きを進めてきました。その後、さまざまな国を回ってM&A(合併・買収)の案件を担当し、日本国内の事業統括を経て現在は海外事業も併せて見ている状況です。海外子会社についてはUnifly以外は全て担当しています。

ーそもそも、2人にとってテラドローンとの出会いとは?

関:もともとグローバルなことをやりたいとの思いがあり、最初はインターン先として大手のメーカーを受けていましたが、「大企業だとスピード感が遅いかも…」と思いベンチャーも視野に入れて探していました。当時は海外に展開するベンチャーは少ない状況でしたが、数少ない中で出会ったのがテラモーターズを創業して間もない社長の徳重でした。

徳重に最初に出会った際の印象として今でも鮮明に覚えているのは、「本気度」です。そもそも、20歳ほど年齢の離れた学生のインターンに対して軽くあしらうこともできるじゃないですか。それでも、熱量を持って黄色いペンで色々と書き記されたEVの資料を示してきた姿に圧倒されました。そうした情熱は今でも変わっていないと思います。「新産業で、世界で勝つ」と掲げる姿も印象的で、「実体があって産業にインパクトを与えるビジネスをしたい」と思っていた自分自身の思いにも共感するところがあって入社しました。

神取:学生時代から海外でボランティアに行き、漠然と「海外で仕事をしたい」と考えていました。当時、アフリカにも行く機会がありましたが、現地から見ていると「日本ってすごくいい国だな」と感じる中、「ビジネスをやるんだったら、日本から世界のトップを目指せることをしたい」と、大手企業を回りつつ、徐々にベンチャーも視野に入れるようになっていました。
 
そうした中で農業、食、医療、製造業などを調べ、「どの領域なら勝てそうか」と考えているうちに徳重社長と出会いました。その時、会社の規模はめちゃくちゃ小さかったけど、本気で事業を生み出して伸ばすことに集中しているんだろうなと直感的に感じ、「この会社なら世界へ挑んでいけるんだろうな」と感じていました。

テラモーターズの存在はあるインターン紹介会社を通じて知りました。ただ、その会社からは紹介されなかったので、自分から直接メールを送ってアプローチしたんですが、それでもご縁がありませんでした。しかし、どうしても諦められず、「それでも働かせてください」とお願いして何とかインターンをさせてもらえることになったのですが、初日で大遅刻してしまう失態をおかしてしまいました…今、テラドローンにいるのはいわば奇跡みたいなものです。

ー社長との出会いが2人に与えた影響とは?

神取:社会人生活において「上司」と言えるのは社長しかいないので、「何のためにこのビジネスをやっているのか」といった、経営者としての根幹を吸収できた部分が大きいです。

関:20代の頃は100%社長からエッセンスを吸収している状態でした。神取さんと同じく、経営者としての根本的なマインドセット及び考え方について身近な存在から学べたことがとても大きいです。経営者がビジネス書で述べていることに腹落ちしないこともあるけど、時には怒られながらも一緒にビジネスをやって得た経験はかけがえのないものだと感じています。

神取:徳重は常に進化を続けていると感じています。当時の徳重は経営者としても駆け出しで、もちろん黎明期のドローン業界で国内・グローバルともに多くのチャレンジがあったかと思います。現在も社長は、あの頃からさらに。吸収して学び続けているので、そうした姿勢にずっとついていきたいと思います。特に、社長としての経営判断や熱量、こだわりといった部分は創業者にしか醸し出せないものでもあるので、そうした部分は学ぶところがまだまだ多いと感じますね。

関:シンプルだけど、それが深く色んな物事を通じて染みわたっている印象ですかね。いまだに端的に指摘する内容に「スゴイな」と感じることはありますね。

神取:とにかく考え、行動量が圧倒的に多い人であるのは間違いないですね。

―創業期から関わっていて印象深かった出来事はありますか?

神取:ドローン業界が黎明期だった2017年頃ですが、私たちのビジョンや事業モデルと親和性のある、これから伸びそうなベンチャーを買収できたことが大きいですね。かつて、オーストラリアで事業を立ち上げてうまくいかなかったのですが、市況や私たちの実力不足と同時にゼロから立ち上げる難しさを実感していたので、なおさらその時の買収が印象に残っています。

そもそも、ゼロから立ち上げるとなると3年、5年単位でなら何とかなるかもしれませんが、1年単位で立ち上げたいテラドローンのスピード感に合わない部分もあります。そうした流れから積極的にM&Aを展開する戦略を始めるのですが、当初はなかなか買収先が伸びない傾向にありました。

そうした中で、「伸びる会社」にフォーカスしてカルチャーを育てていくモデルが結局いいよね、といった姿が見えてきたことが転換点になったと思います。有望な会社の発見と失敗を経て、次第に事業基盤がしっかりしている会社が結果的に残っている状況と言えますね。そんな経験があるからこそ、最近はどんな形でも損をしないところをより探っていくようになりました。

ー創業期から世界を渡り歩いていますが、グローバルで戦う醍醐味や壁を感じる部分はありますか?

神取:当社は「新産業で、世界で勝つ」ことを目的にやっているし、そもそもどの国でもドローン産業は黎明期なのでどのように普及させるかがポイントにあります。UTM(運航管理システム)なんてどの国も必要とは思っていなかったところから、徐々に「必要だよね」との認識に変わって広がってきました。

ドローンによるソリューション提供は、日本だと測量、インドネシアだと農業といった具合にその国によって求められるものが異なります。日本の製造業が得意とするプロダクトアウトではなく、私たちはその国に合わせたソリューションを作り込んで横展開しているので一口にグローバル展開と言っても少しニュアンスが違うかもしれません。

その分、同じものを展開できるわけではないので手間がかかりますし、現地での展開にはその国ごとに優秀な人材が必要です。そうした人々に私たちのビジョンへ共感してもらうためにも、M&Aの際にはビジョンの共有は重要で、最も難しい部分でもあります。

実際、M&Aを進める上でかつては「その国のナンバー1の企業を買えば勝てるだろう」と思っていましたが、組織づくりを含めてそんなに簡単ではないことにも気づかされました。だからこそ、今はビジョンに共感してくれる企業や経営者と一緒に事業を進めることで、かつて感じていた壁を乗り越えることができるようになったかと思います。

―組織としてテラドローンの特徴はどんな部分に表れていると思いますか?

関:ドローンのハード、ソフト、サービス、UTMを提供していることで、それぞれの分野に必要な人材が集まっている点にあると思います。アプリの開発者、測量に強い営業、法人向けのプロダクトマネージャー、点検、パイロットなど、ビジネスモデルの多様化に伴って必要な人材が徐々に集まってきた印象ですね。

―最近では業界の第一線で働いてきたプロフェッショナルな方々も入ってきていますよね。

神取:テラドローンの魅力が徐々に伝わるようになってきた部分もあると思いますが、私たちもそうした人たちの重要性に気づいてアプローチを意識的に強めてきました。ただ、大企業に勤めてきた人がすぐにベンチャーのカルチャーに合わないこともあるので、実際に求めている方に出会うのはレアなことではあります。そこは数多くアプローチして見つけ出すようにしています。

そうした専門家が入ると、若手にとってわからないことや困ったことを聞ける相手ができる効果があります。私たちは経営に関することは教えられても、技術面に関することは専門家と比べ教えられない部分が多いので、ベテランの専門家が社内にいることで「これが正解なんだ」とわかる環境ができることが重要になります。今はそうした環境ができたことも強みの1つですね。

―テラドローンが大事にしている価値観である「Terra Way」を体現する上で、経営陣である2人が意識していることはありますか?

神取:「チャレンジ」の部分ですね。目指すところに対してまだまだ辿り着いていない部分もあるので、新たな事業ももっとやらないといけないと思っています。それは私たちだけではできないですし、メンバーからのアイデアを拾い上げることも大切です。そのためには同じ人がずっと同じ場所にとどまらないようにポジションの入れ替えも必要になりますし、仮に失敗しても許容する文化がTerra Wayを実践する上では最も重要になります。だからこそ、「Challenge as Global No.1」の言葉が最初にあるのだと思います。

関:ドローンや空飛ぶクルマの業界もこれからですし、この経営者と一緒に業界を変えていきたいと感じてもらえる点でいえば「視座の高さ」かと思います。それを客観的にどう伝えるかが難しいですが、現状には全く満足していないですね。

―その上で3年後、5年後のテラドローンの姿をどのように見ていますか?

関:「Terra Vision 2030」を掲げ、中長期的な目標を明確に定めました。まずは、引き続き業界内で世界No.1を目指します。特に、当社のドローンソリューションとUTMが世界中に広く認知されることが理想です。その後はさらに事業を拡大し、ドローンおよび空飛ぶクルマ業界でも世界No.1となり、名実ともに「低空域経済圏のグローバルプラットフォーマー」を目指していきます。これは大きな挑戦ですが、私たちなら必ず実現できると確信しています。共に、豊かな未来を築き上げましょう!